自宅に帰って来た遺体
自宅に帰って来た遺体は、最初は布団に寝かせた状態で安置されます。
その後、僧侶による枕経を経て納棺が行われます。
多くの場合、納棺は葬儀社が手配したスタッフが行いますが、遺族も参加する事ができます。納棺の手順は、まず、遺体に最後の死化粧を行います。その後、遺族も手伝って死装束を着付け、棺に納めます。
遺族の手で火葬用の布団を掛けた後、遺愛品を棺に入れますが、この遺愛品を何にするかは注意が必要です。数珠やたばこ、写真や服は問題なく入れられますが、燃えにくいプラスチックやガラス、金属でできた遺愛品は入れる事ができません。
お酒を入れたい場合は、紙パックの物を選ぶようにします。
数珠は、故人が愛用していた数珠があればそれを使い、遺体の両手にかけてあげましょう。
棺の蓋を仮留したら、遺影と共に葬儀を行う祭壇に安置します。
遺影は祭壇の上部に、棺は下部に安置される事が多いようです。遺影が納棺に間に合わない場合は、後で飾ります。
「おくり人」という名称でも知られている納棺師とは?
遺体を棺に納める時、納棺師と呼ばれる人が作業を行う場合があります。
納棺師とはその名の通り、遺体を棺に納める仕事を行う人で、最近では映画にもなった「おくり人」という名称でも知られています。
納棺師の主な仕事は、遺体を整え、死装束を着せた上で棺に納める作業ですが、納棺は遺族にとっても大切なセレモニーの一つです。
このため、効率良く作業を行いながら、遺族の参加を促し、故人を見送る場を与える事も、重要な役割となります。
まさに「おくり人」、というわけですね。
納棺師の仕事は、多くの場合葬儀社のスタッフが請け負いますが、納棺を専門に行っている業者もあります。
納棺業者の中には遺体の防腐処理を行っている所もあり、「おくり人」のサービスは今後も多様化していく事が考えられそうです。
死装束(しにしょうぞく)とは
死装束(しにしょうぞく)とは、故人に対し施される衣装の事で、仏教における死者が冥土へ旅立つ時の衣装です。
宗派にもよりますが、仏教では死者は四十九日をかけ冥土へ旅すると言われているため、多くの場合は古い旅装束の形をとっています。
死装束は、全て白地で作られているのが特徴です。
経帷子を左前で着せ、手甲、脚絆、足袋をはかせます。地獄の渡し賃と呼ばれる六文銭を入れた頭陀袋を頭からかけ、天冠と呼ばれる頭巾のようなものを
付ける場合もあります。棺に納めた後、両手に数珠を持たせ、杖と草鞋を入れてあげるのが一般的な手順となります。
昔は死装束は喪家が用意するものとされていましたが、現在は葬儀社が専用の死装束を用意している事がほとんどです。
また、燃えやすい紙製品や、簡略化された白の浴衣を着せるだけで済ませる場合もあります。
着せるのではなく上に掛けるだけというやり方もあるなど、死装束のあり方も、年々変化してきているようです。
お布施と戒名
良い戒名は値段が高いと言われますが、本当でしょうか。ここでは戒名の注意点について見ていきましょう。
一番大きな戒名の注意点は、戒名には値段が存在しないと言う事です。
葬儀の際、遺族はお寺にお布施を支払います。
お布施は戒名や読経に対する遺族のお礼の気持ちを表すもので、明確な料金などは存在しません。
よって、普段から付き合いのなかったお寺に急に読経や戒名を依頼する時は、御縁もないのにありがとうございます、という気持ちも込めて、多少多めにお布施を包む事になります。戒名が高いと思われるのは、この点も原因になっていると思われます。
その他の戒名の注意点としては、旧字が使われる事も多いため、より正確に葬儀社や仏壇店に伝える事が挙げられます。ファックスなどを利用すると安心でしょう。
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