葬儀参列者のマナー

危篤の知らせを受けた時の対応

態度・服装

誰でも親しい人の危篤の知らせを受けるという経験をすることは数少ないものです。どのように対応してよいものか迷うことがあります。危篤の知らせを受ける時は、たいていは電話かメール、LINEなどのSNSですが、具体的な病状などは聞かず、入院先の病院を確認しましょう。

危篤の知らせを受けるということは、身内の人から命あるうちにあって欲しいと思われているのですから、出来る限りお見舞いに行きましょう。

お見舞いに行く時の服装は迷うものですが、喪服と思われるような服装は避けなければなりません。派手な服装でなければ普段着でも構いません。

特に女性にとって服装は気になりますが、普段の落ち着いた雰囲気の外出着だと思って選ぶと良いでしょう。

危篤の知らせを受ける時の対応で困るのは遠方にいる場合です。急いでお見舞いに行こうとしても時間がかかります。最悪の場合、病院へ着く前に残念ながら亡くなることも想定しなければなりません。

ですから、無駄になることを願い、喪服を荷物に入れておく必要があります。喪服を持参すると予め死を考えていたようで失礼に当たると思われることもあり、とても難しく悩みます。

喪服を持参する場合は、できれば、駅のロッカーなどに預けるようにしたいものです。数珠やネクタイも忘れずに持って行ってください。

または、喪服は現地でレンタルすることも可能なので、持参しない場合、現地のレンタル衣装屋などを事前に調べておくと慌てません。

近くでも遠くにいても何よりも大切なことは、出来るだけ都合を付けて早めにお見舞いに伺い、会うことです。

ご本人と面会し、ご家族にお見舞いの言葉をかけたいものです。

弔電を打つ時のマナー

急な訃報を受けた時、多くの人はどうしてよいかわからくなるものです。

訃報の連絡を受けたらすぐに喪家にかけつけ、故人と対面します。服装は、地味なものなら普段着のスーツでかまいません。

この時は、香典も不要です。改めて、通夜、告別式に参加するときに香典を渡します。

また、駆けつけられるなら良いのですが、遠方にいるなど、どうしてもお通夜や葬儀に参列できないこともあります。そういう時、訃報を受けたら速やかに弔電を打ちましょう。弔電を打つことも結構難しいと思う人がいるはずです。

弔電

例えば、弔電は誰宛にしたらよいか迷いますが、宛名は喪主です。送り主である自分については、フルネーム、関係が分かるように所属先などがある場合はそれも記載します。遺族宅へ送ることもあれば、場合によっては、葬儀や告別式の会場へ直接送ることもあります。

葬儀、告別式の前日までに届くように手配しましょう。電話やネットからも依頼できますので、訃報を受けた悲しみを弔電に込めて送ることが大切です。

文章については、電報の文例集などを参考にする、あるいは、その文例から選 ぶという方法もあります。忌み言葉などは知らずに使って失礼をしてはいけないので、分からない時は、文例から選択すると無難でしょう。

香典・供花・供物の渡し方

香典


香典を贈る際、一番先に考えるのが金額ではないでしょうか。

香典の相場は特になく、故人の社会的地位、故人とのお付き合いの度合い、地域性なども関係します。あまり多額なのはかえって負担になるので控えます。

それよりも、お悔やみの気持ちを伝えることを大切にしましょう。

次に気になるのが香典を渡すタイミングですが、初めて弔問する際に渡すのが一般的です。そのため、通夜で渡すことが多いのですが、間に合わなければ、葬儀や告別式で渡しても構いません。但し、亡くなってすぐでは、まるで準備をしていたかのようでとても失礼になるので控えましょう。

供花や供物

供花や供物について、本来の意味をまず考えて見ましょう。

供物は、宗教的な意味を持ち、故人の霊前に供える物を指します。供花は、献花というも言われます。具体的には、盛籠、花輪、お菓子などがあります。そこに供花も含まれると考えることもあり、最近では、フラワーアレンジメントを供物としてそなえることが増えています。一対で送ることも覚えておきたいマナーです。

近年は、こうした供花や供物について、喪家が断るケースも増えてきました。供花や供物は身内やごく親しい人が贈るものです。ですから、他の人からの
申し出については、斎場のスペースなど問題もあるため、断ることもあります。

もし贈るべきかどうか悩んだ場合は喪家へ相談したほうが良いでしょう。また、供花や供物を送る場合は、香典は必要ありませ

代理で受付の記帳する時の注意


本来なら葬儀、告別式に参列すべき人が出席できない場合、代理で出席させることがあります。

例えば、会社の上司に代理を頼まれることがあります。この際、上司の代理ですから、受付の記帳は、上司の名前と住所を書き、左下に(代)とします。
この時、自分の名前は記載しません。

夫の代理の妻


また、夫の代理で妻が葬儀に参列することもあります。

妻は、受付で記帳する時は、夫の氏名と住所を書き、その下に(内)と記します。受付の記帳の際には、夫がこられない事情を簡潔に述べ、夫の代わりに参列したことを夫のお悔やみの言葉と共に妻が伝えると良いでしょう。

代理での葬儀参列は、故人との面識がない代理であっても、参列すべき人の故人への思いや自分自身の思いを受付でも伝えることが大切です。

宗教別香典の贈り方について

亡くなった方の宗教や
宗派によって香典も表書きが違います。

いずれも薄墨で書くのが多いのですが、地方によっては普通の墨で書くこともあります。現在では、便利な筆ぺんを利用する人も少なくありません。

具体的に宗教というと、仏式、神式、キリスト教式があります。

仏式では、「御霊前」「御仏前」が一般的です。
しかし、細かく宗派によっては差し障りもあるので、「御香料」「御香資」といった書き方をするとよりスマートな印象になります。

神式でも「御霊前」も使えますが、

それ以外では「御榊料」「御神饌料」「御神前」「御玉串料」という書き方もあります。

仏式は「御霊前(浄土真宗は御佛前を使用)」「御香料」、神式は「御榊料」「御玉串料」、キリスト教式には「お花料」と書かれたものを「御霊前」なら神式、キリスト教式にも利用できます。

キリスト教で一般的な書き方は、「お花料」です。
キリスト教も宗派によって異なるので、どの宗派でも使える書き方が無難です。

無宗教の場合、「御霊前」「志」「お花料」「御香資」「御香料」と書いておくと良いでしょう。

香典は御通夜か葬儀の際に持参します。

仏式、神式、キリスト教式というように宗教で香典の表書きも違うので、故人の宗教についても知っておく必要があります。

また、どうしても通夜と葬儀に持参できない場合は、喪主宛に現金書留で郵送するようにします。その際、お悔やみの言葉を、添えた手紙を同封するのが良いでしょう。

通夜・葬儀・告別式に参列時の注意点

御通夜見舞と香典の違いなど

訃報を受けた後、喪家から「ご厚志お断りします」と伝えられたら、それは、香典は辞退しますという意味です。

とはいえ、実際に通夜や葬儀に何も持たずに出かけてよいのかと迷います。

「ご厚志お断りします」という言葉を受け止めつつ、一応、持参する人が多いようです。喪家からの「ご厚志お断りします」と言われても、どうしても渡したいという方もいるのが現実で、喪家もそれを断ることはしないのが一般的です。

御通夜見舞は、通夜ぶるまいに使われるサンドイッチやおにぎりなど食べやすいものを持参すると良いでしょう。香典と勘違いをする人が多く、お金をいくら持っていくのかという質問もありますが、御通夜見舞は香典ではなく、あくまでも御通夜見舞として食べ物などをお通夜に届けるということです。

御寂見舞(おさみしみまい)というのは、お通夜の席に現金を入れて持参します。地方によっては、御寂見舞を御淋見舞(おさみしみまい)と書いてある封筒が
販売されていますが、御寂見舞と全く同じです。

お通夜の席では、親戚で祭壇要の花を贈ることを相談する場面が見られます。ここで送るとスペースの問題もありますので、親族で相談の上、左右2基ずつになるように贈るのが一般的です。

さて、実際の通夜と葬儀、どちらに参列するのか、それとも両方に参列すべきかと悩みます。会社関係などの場合、個人的に親しければ両方に参列しますが、そうでなければ告別式に参列します。その他の付き合いでも、個人的に親しいのであれば、御通夜と葬儀の両方に参列し、それほど親しいわけでもないなら告別式だけで十分です。

告別式に参列しない時の断り方

親しい人の告別式でありながら不参加というケースもあります。

海外出張中や自身が病気療養中といった事情など不参加の理由はやむ負えないことがほとんどです。ですから、無理して参列するのではなく、弔電や香典を郵送し、お悔やみの気持ちを伝えましょう。

また、後日、四十九日法要などに参列することで告別式の不参加をお詫びすれば構いません。大切なのは、告別式への参加不参加ではなく、故人を偲び、お悔やみの気持ちを喪家に伝えることです。

通夜の弔問時に気をつけたいこと


訃報を受けたら、できるだけ早く駆けつけたいところですが、最近は、通夜の時間も夜6時から7時くらいに始まり、9時か10時頃には終わることが多くなりました。
通夜の弔問に出かけるなら、その間に到着し、焼香するようにしましょう。

突然の訃報なのですから、喪服を着ていくのは逆に失礼に当たります。男性なら仕事帰りに寄ることが多いのでスーツ、女性なら華やかな服装は避けます。

女性の場合、アクセサリーで気をつけたいのが、二重になっているネックレスです。重なるものは禁じられているので、通夜に出かける前に不要なアクセサリーは外した方が無難です。

香典ですが、葬儀や告別式に参列する場合でも、最初に弔問に訪れた通夜で渡します。通夜の場合、受付がないこともありますが、その時は、焼香の時に霊前に供えます。

葬儀・告別式の会葬の参列者のマナー


葬儀・告別式の会葬で気をつけたいことは特別ではなく常識的なことばかりです。

葬儀・告別式の式場へは開始10分前には到着するようにします。受付を済ませ、式場に案内されたら、遠慮せずに着席します。

遺族へ挨拶をしたいと思っても、会釈だけにします。また、知り合いに会うこともありますが、その時も目があったら挨拶するだけにします。

携帯電話の電源は切る、無駄話はしないなど、会葬のマナーは社会常識があれば問題ありません。

供物や供花は、贈りたいことを喪家に予め相談してからするほうが良いでしょう。供物としては、缶詰やお菓子が一般的です。供花は、生花を贈るなら直接花屋から贈る方が思い通りの花を贈れます。よく分からない時は、葬儀社に依頼したほうが無難です。

葬儀・告別式で会葬の際、弔辞を頼まれたら快く引き受けましょう。辞の内容は、亡くなったことを悲しむ気持ちを述べ、次に故人との関係、思い出やエピソードを挙げます。その後、遺族へのお悔やみの気持ちを表し、少しでも遺族の力になることを誓い、最後に故人の冥福を祈り結びます。

最後に葬儀・告別式の会葬に必要な数珠の使い方について説明します。宗派によって違いますが、一般的には、拝む時には左手にかけておく、あるいは、両手にかけて合掌することもあります。

数珠をこすり合わせて音を出す使い方もあります。使わない時は、房を下にして手に持ちます。喪主や遺族の人の使い方を見て、その宗派のやり方を真似るようにします。

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