楽しく踊ってご先祖様に感謝を伝える
夏休みの一大イベントといえば盆踊りでしょう。
地域の親睦を深め、夏の夜を楽しく過ごす盆踊りには、古くは先祖の霊を慰め、彼岸へ送るための目的がありました。楽しく踊ることで、先祖に今生きていることへの感謝を表し、自らの災厄を祓う目的もあるようです。
諸説ある盆踊りの起源
盆踊りは、鎌倉時代に時宗の開粗一遍上人(いっぺんしょうにん)が広めた念仏踊りが起原とされます。
その後、 室町時代の頃には、念仏を唱えながら踊る念仏踊りと変わっていきます。鎮魂する対象である霊を表現するために、あるいは乗り移られないように仮装をすることもあり、地域の大衆芸能とも結びついて、やがて華々しい盆踊リになっていったといわれます。
お盆に迎えた死者の霊魂を踊りで慰め、あの世へ再び送り返すとともに、この世の人々も生きている喜びと先祖への感謝を感じることをその意義としています。
そして江戸時代になると夏祭りと一体化し、規模も大きくなっていくのです。
また、他の起源説では、中国の孟蘭盆経の話と関連して、成仏できずに苦しんでいる母の、祖先の霊を慰める、鎮めるために、人々は舞い踊ったということです。だから本来の盆踊りは、お盆の時期に家の軒先や村の辻などで行なわれる、静かなものだったといいます。
さらに、踊りで厄災を祓う目的もあるらしく、大太鼓、笛、鉦(かね)、三味線などに合わせて、地方ごとに伝わる踊りを繰り返すのが本来の踊り方といわれてます。全国的に有名な盆踊りには、阿波踊りや郡上踊りなどがあります。
色々な地方の盆踊り
阿波(あわ)踊り(徳島県)
天正15年(1587)、徳島城が落成した際、その祝賀行事として城下の人々が踊ったのがはじまりといわれています。テンポの速い二拍子で、日本では珍しいタイプの踊りです。
郡上(ぐじょう)踊り(岐阜県)
岐阜県郡上市で開催される盆踊りの郡上踊りは、江戸時代、士農工商の融和を図るために奨励されたといいます。例年7月9日から9月3日まで計32夜に渡って開催される日本最長の盆踊りで、踊りの種類も10種に上ります。ひと晩に1箇所ずつ、市内のあちこちで行われていきます。特に有名なのは13~16日のお盆の4日間、夜通し踊り続ける「徹夜踊り」です。
遠州大念仏(えんしゅうだいねんぶつ)(静岡県)
新盆の家をまわり、太鼓や鐘の音にあわせて念仏踊りを披露。三方ヶ原の戦いなどで犠牲になった人を弔うためにはじまったといわれます。
盆踊りで使われる曲
気仙沼音頭(宮城県)
気仙沼音頭は1968年に作られて三橋達也が、歌ってる有名な踊りで、お盆の時期になると宮城県気仙沼市内は、「気仙沼音頭」の音色で溢れかえります。
みなとまつりパレード 第68回 気仙沼みなとまつり(2019年8月4日(日))
気仙沼市婦人会連絡協議会(手踊り:気仙沼音頭)
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